社会のつながりが気薄になってきている現代。
本来ならば社会全体で、地域で、子どもを守っていかなくてはなりません。
小学校に上がると自分で登下校したり、習い事をしたりと
大人の手が離れていく機会が増えます。
防犯について考えてはいるけど、
具体的にどのように防犯を教えていいかわからない、
学校の教育に任せている。
という方も多いのではないでしょうか。
よく子どもの犯罪のポスターや教育の中で言われている文言
「知らない人についていかない」では子どもを守ることはできません。
なぜなら、よく知っている人でも加害者になっているパターンもよくあるからです。
実際私も、小学生の頃に「知っているひと」から危険な目にあったことがあります。
体験談として漫画にしていますので、興味のある方はこちらからどうぞ
子どもを犯罪から守るためには、
「どうすれば悪い人に騙されないか」を
教え込むことが大切です。
この記事では、
Eテレ「子どもを犯罪から守る(視点・論点)」から学んだことを振り返りながら
まとめています。
常識として考えている防犯対策を見直すきっかけとなるかと思います。
子どもを守る防犯、これまでの教え方は現実的ではない
「変な人に気をつけよう」「知らない人についていかない」
「大声を出して周りに助けを」「走って逃げる」
防犯について子どもに教えるときに、このような抽象的な言葉を使っていませんか?
「変な人」「知らない人」でなければ、犯罪者ではないと言い切れますか?
子どもは、少し話をしたり、遊んでもらったりするだけで「知っている人」になります。
さらに、何度も挨拶を交わしていたり、学校の先生や家族の知り合いだと尚さら警戒心はなくなります。
警戒の対象でない相手からの悪意に
子どもたちは気づくことはきっと難しいと思います。
私自身、知っている人からの悪意に触れた時ですら警戒心はありませんでした。
なぜなら知っている人でしたから。
そんな中で「大声を出して逃げろ」というのは難しいのではないでしょうか。
実際に過去の子どもが被害にあったもので顔見知りの犯行であったものもたくさんあります。
【子どもの防犯】適切な教え方とは
防犯対策『いかのおすし』だけで大丈夫?
【いか】→知らない人についていかない
【の】→知らない人の車にのらない
【お】→おおごえで叫ぶ
【す】→すぐ逃げる
【し】→大人にしらせる
もちろんいかのおすしは防犯の基本としては大切ですが、
知っている人の犯行や、騙されたりしてしまった場合には通用しません。
社会学者・犯罪学者の小宮信夫教授は、このように言っていました。
世の中では、犯罪者は子どもをいきなり襲い、無理やり連れ去ると思っているようですが、そんな事件はほとんどありません。子どもを狙った誘拐のほとんどは、だまされて連れ去られたケースです。宮崎勤事件もそうでした。
引用元:NHK Eテレ「子どもを犯罪から守る」(視点・論点)|解説アーカイブス より
おそらく、だいたいの人がイメージしている子どもへの犯罪は
無理矢理手を引っ張る、人がいない見えにくいところで襲う、暗い時間が危険
というところだと思います。
しかし実際は、騙されたり、顔見知りの犯行であったりするため
そうすると、
「知らない人についていかない」「大声を出して逃げる」「変な人に気を付ける」
という従来の教え方では、守ることができなくなってしまいます。
ではどのようにして、「危険な人」を見極めればよいのでしょうか。
子どもの防犯のために教えておきたい景色解読力
人は嘘をつきますが、絶対に嘘をつかないのは「景色」です。
犯罪が起こりやすい景色を察知することで、
その中にいるときには警戒レベルをあげることができます。
こうした、周りの景色を読み取って、危険か安全かを判断していくことを景色解読力といいます。
犯罪者は、子どもたちが想像しているような”見るからに変な人”とは限りません。
見た目は普通の人、優しいお兄さん・お姉さんだったりします。
子どもに交通安全を教えるときは、「横断歩道のないところは渡ってはダメ」とか「見通しが悪いところではよく周りを見て」といったように、危険な景色に注目させますよね。「変なドライバーに気をつけよう」なんて言いません。でも、防犯を教えるときには、「変な人に気をつけよう」と言っています。
子どもたちは、道徳教育で「人は見かけで判断するな」と教えられているのに、防犯教育では「人は見かけで判断しろ」と刷り込まれています。この矛盾を、いつまで放置しておくのでしょうか。
引用元:NHK Eテレ「子どもを犯罪から守る」(視点・論点)|解説アーカイブス より
知っている人、優しそうな人でも、
「危険な景色」の中にいるときには、注意しないといけないということです。
逆に危険ではない景色の中にいるときは、手助けをしたり、おしゃべりをしてもいいということになります。
危険な景色「見えにくい場所であり、入りやすい場所」
「見えにくい場所」「入りやすい場所」が犯罪が起こりやすい場所の共通点だといいます。
「見えにくい場所」は必ずしも「死角」というわけではありません。
田畑がずーっと広がっていて見通しが良さそうなところでも、
民家が遠く人の目が届きにくい場所も指します。
「入りやすい場所」というのは、
子どもにとって逃げやすい場所ではないか?と思いがちですが、
犯人にとっても子どもを連れ出しやすくなります。
また、暗い時間というのは、そもそも歩いている子どもが少なく、
性別も顔もわかりにくいため犯人は明るい時間を選ぶことが多いとのこと。
人通りが多ければ安心かと思えば、その人通りの中で物色し、その後狙いを定めて尾行するパターンもあります。
【子どもの防犯まとめ】犯罪から守るために大人がすべきこと
子どもに防犯を教えるときには、
「危険な景色の中にいる人にだまされないように」していくことが大切です。
周りの大人も危険な景色の中で子どもがいないか、社会で見守っていくのも大切ですね。
子どもを持つ親であれば常日頃から、
景色解読力を高めるために、散歩やお出かけのときに「危険な場所」を教え込むことをしていきましょう。
子どもは少しづつ大人の手を離れていきます。
少しでも子ども自身が防犯について知識や意識を高めていく必要があります。
しかし、そうした知識や意識を持ってもあとを絶たないのが犯罪です。
子どもと防犯について話あってみたり、家族だけの合言葉を決めたり、防犯ブザーの鳴らし方を練習したりしてみてはいかがでしょうか。
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