とても大きなヤドカリを自分の手で捕まえた
何事も一番が好きな女の子であった私にとって
この経験は特別で、自己肯定感を高めた。
これから過ごすヤドカリとの
非日常な生活に心を躍らせて帰宅するのであった・・・・
ここから待ち受けている運命を知らずに・・・・
※ここに登場する人物・キャラクターは架空のものであり、筆者の妄想の中で作られたものである
帰宅後プリズン
私は自宅に帰り早速深いバケツに入れ
BBQの網で蓋をした。
明日は友達に見せよう。
公園にでも連れて行こう。
行きつけの駄菓子屋にも
楽しみで仕方がなかった。
ゴル子「今日はとっても楽しかったね、明日はもっと楽しくなるよね」
「カリ太郎♪」
カリ太郎「ヘケッ」
そして、私は深い眠りにつくのであった・・・
視点を変えてみる
(ここから妄想)
ヤドカリの立場になって考えてみた。
カリケル「ケッ。あのクソアマァ、カリ太郎なんて名前つけてやがらぁ」
「こんな狭い場所に入れやがって。俺は世界が広いことを知っている。ここから出よう。」
・・・・・・・・。
(急に怖気付くカリケル)
「でもどうやって・・・・」
果たして、無事に脱出することはできるのか?
脱出できたとしてさらなる地獄が待っていたら??
このままあいつに捕まったら?
他のギャングに捕まったら?
いや、・・・!!!
頑張る。負けない。
抵抗するで・・・!拳で・・・・っ!
そぉ・・・・
こうして無事プリズン(バケツ網)をブレイク(破壊)したカリケル。
幼い私は、この時、まだ夢の中であった・・・
無慈悲な現実
翌朝
「カリ太郎!もう起きているかな!おはよう!」
「い…!!!いない!?!?!?!?!?!?」
焦る私。
カリ太郎は??どこ???
どこかでカリ太郎が苦しんでいるのでは?
誰かに拉致されたんじゃないか?猫か?
ギャングにやられたらどうしよう!!
助けなきゃ!!
その日は、お昼ご飯もまともに食べることができず、
カリ太郎のことで頭がいっぱいだった。
1日中探し回っていたのである。
痕跡はまったくなく、途方に暮れていた。
・・・・
「全然見つからない。ぐすん・・・」
とても悲しかった。せっかく出会った友達。
ずっと友達。この町から力溜め一からのスタートを一緒に切ろうと思っていたのに。
今年も海へ行くって
いっぱい映画も観るって
約束したじゃない
あなた約束したじゃない・・・
「会いたい…」
(カリ太郎・・何があったんだろう。)
どうして私になにも話してくれなかったんだろう・・・・
疲れた私は、仕方なく今晩もまた眠りについた。
再会直前のカリケル(妄想)
その頃、カリケルは・・・
カリケル「それにしてもこの貝…窮屈になってきたな」
「プリズンをブレイクするのにパンプアップしてしまったなHAHAHAHA」
パンプアップしてしまったカリケルは予期せぬ行動に出る。
なんと貝を脱ぎ捨てたのだ。
「これで生まれたままの姿だぜ」
再会
その日の夜は寝苦しいこともあってか目が覚めてしまった。
それと同時に得体の知れない何かの視線を感じたのである。
スッ・・・・(視線を横に向ける)
と!!!その時!!!!!
そこにはプリズンブレイクを果たしたカリ太郎の姿が・・・!!!!
!?!?!?!?!?!?!?!?
えっ!?!?!?!?!?
(幽霊!?)
カリ太郎の幽霊!?
貝がないじゃないか!!足がないじゃないか!!!
・・・・・・・・。
え!?!?!?!?
もしかしてカリ太郎は
魔法のランプの魔神!?!?!?!?!?!?
そうか・・・魔神だったんだ・・・・
幼い私は大混乱である。
これは捕らえねば!
好奇心が制した私は
近くにあった箱で捕獲した。
頭を整理しながらゆっくり考えた。
カリ太郎の本当の姿は魔神。
貝は世を忍ぶ仮の姿だったのかもしれない。
夜中のテンションも相まって、
ファンタジープリズンで頭がブレイクしてしまっていた。
翌朝、
曇りなき眼で彼を見た時・・・・
いや__・・・・・・・
可愛くない・・・・
いや・・・・・ぁああ
(きもい・・ごめん・・・・・)
そして父に報告し
海へ帰した。
余談だが
この経験から私は
ほじくり出す系の貝が食べられない。
ーFINー
おすすめは断然こっち。
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